この記事は、これからフランスに留学や移住来る予定だけど、フランスの雇用形態についてよく分からないという方向けの記事です。
この記事を読めば、こんなことが分かります。
・フランスの就職事情
・フランスの最低賃金
フランスの雇用形態の種類とその違い
CDI (Contrat à durée indéterminée)/ 無期限の雇用契約
つまり日本でいう正社員です。
フランスでは、雇用主が正社員(CDI契約の社員)を正当な理由(*)なしに一方的に解雇したり、最低賃金(SMIC)より低い賃金を支払ったりすることは禁止されています。
(*)解雇できる場合の理由は3種類:
⒈ 個人的理由(従業員の能力不足、成績不良)
⒉ 従業員の過失
⒊ 経済的理由(雇用主が経済的困難な場合)
CDD (Contrat à durée determine)/ 期限付き雇用契約
日本でいう契約社員のような契約期限が決まっている働き方です。季節労働や病気や産休中の従業員の代わりに働くことが多く、契約期間は、最短18ヶ月、最長36ヶ月とされています。契約期限がきたら、そのまま契約終了か、勤務態度や成績が認められればCDIへ契約変更も可能です。
雇用主がリスクを回避するために、初めはCDDで雇われる人が多いのが実態だね。
ちなみに、CDIとCDDともにフルタイム(un temps plein)、パートタイム(un temps partiel)があります。
フランスの就職事情
実は、フランスは日本よりも学歴主義社会かもしれません。というのも日本では、大学の専攻と違う職種の企業に就職することは可能ですが、フランスでは専攻外の分野の会社に就職することはとても難しいと言えます。
また、日本では新卒採用というものがあり、企業が経験のない新入社員を一から研修でノウハウを教えてくれますが、フランスにはそのようなシステムはありません。フランスの企業は即戦力になる人材が欲しいので、まず経験がない方は採用されにくいです。
そのため、フランスでは大学もしくはマスターの最後の6ヶ月間、企業でインターンシップ(stage)として働かせてもらい、うまくいけばその企業で雇ってもらい、ダメだった場合は、他の企業に応募するというのが一般的です。
大学院まで行って勉強したのに就職先が見つからず、パン屋で働くために学校に行きなおした人がいるって話を聞いたよ。
パン屋さんはどこにでもあるし、常に求人があるからね〜。
SMIC / 最低賃金
Le montant du SMIC horaire brut est fixé, depuis le 1er janvier 2020, à 10,15€, soit 1539,42 € bruts mensuels sur la base de la durée légale de 35 heures hebdomadaires.
2020年1月1日現在、最低時給10,15€、最低月給1539,42€です。ただし金額は支給額で、この金額から社会保障費負担金が引かれた手取りは、時給7,82€、月給1185,35€となります。
*brut : 支給額 / net : 手取り額
*SMICは18歳以上の労働者に適用されます。
まとめ
この記事では、以下のようなことをご紹介しました。
フランスの雇用形態の種類とその違い
- CDI (無期限の雇用契約)/正社員
- CDD(期限付き雇用契約)/契約社員
フランスの就職事情
- 大学の専門外の分野の企業への就職は難しい。
- 企業は即戦力を求めている。
- インターンシップを経て、採用されることが多い。
SMIC / 最低賃金
最低時給 10,15€
最低月給 1539,42€
失業率が高いフランスで、外国人が仕事を探すのはとても大変です。日本人の強みを生かすとしたら、日系企業や日本語教師などの日本語を使う仕事だと思います。
しかし、フランス人と同じ環境で働くというのも不可能ではありません。フランスの大学を出てインターンシップを経ての就職や、人づてに仕事を紹介してもらう方法、自分で企業するなどいろんな方法があると思うので、是非情報収集をしてみてください。
就職活動を始める際には、CV(履歴書)とLettre de motivation(職務経歴書)の作成が必要となります。
CVとLettre de motivationの書き方はこちらをご確認ください。
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